ヘルニア(脱腸)について

ヘルニアとは

そもそもヘルニアとは、体の一部が本来あるべき部位から脱出した状態をいいます。例えば、整形外科で主に診療している病気の一つに、椎体と椎体の間にある椎間板が脱出する『椎間板ヘルニア』という疾患があり、腰痛や下肢の痺れなどを起こすことで有名です。
われわれの外科で主に扱うヘルニアはいわゆる『脱腸』のことで、腹部の筋肉の弱い部分から、腹膜に覆われた腸や卵巣、大網などが脱出しておなかの壁や足の付け根がポッコリと盛り上がった状態のことを指します。
イメージとしては図のようにタイヤのトレッド部(路面と接する部分、人体では筋肉)が弱くなり、中のチューブ(腹膜)が脱出した状態を思い浮かべてみてください。

ヘルニアの種類と症状

主に脱出する場所(立ったときや腹部に力を入れたときに膨らむ場所)によって名前がつけられています。
①足の付け根が盛り上がる→ 内・外ソケイヘルニア、大腿ヘルニア
②「でべそ」になった→ 臍ヘルニア
③昔の手術の傷が膨らむ→ 腹壁瘢痕ヘルニア
などがあります。

治療について

成人の場合の根本的な治療法は手術となります。一旦弱くなりヘルニアを生じた筋肉の壁は、自然に改善することはありません。
基本的には緊急を要さず待機的に治療を行う疾患ですが、押しても元に戻らない場合は嵌頓(カントン)といい、腸閉塞や腸管壊死(腐ってしまうこと)を起こすことがあるため、緊急の処置または手術が必要になることがあります。

手術について

手術は1時間程度の手術であり、当院では通常全身麻酔下で、『腹腔鏡下ヘルニア根治術』を主に行っております。

入院と術後生活

当院では基本的に2泊3日の入院とし、退院後は激しい運動をしなければ、日常生活は通常通りに送っていただけます。入浴(シャワー)も可能です。

このほかにもヘルニアに関して何かご質問がございましたら当院外科医師にご相談ください。

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