診療放射線科

放射線科業務内容

医師または歯科医師の具体的な指示がなければ放射線を人体に照射してはならない(技師法26条) 業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない(技師法27条)

単純X線検査

X線を人体に照射し、身体の器官や臓器などのX線吸収差を利用して画像にする検査。

  • 一般撮影 ①胸部X線撮影 / ②腹部X線撮影 / ③骨部X線撮影
  • 乳房撮影
  • 骨密度
  • ポータブル撮影
透視X線検査

X線を使って体の中の臓器の様子をテレビ画面でリアルタイムに観察しながら検査を行う。

  • 上部・下部消化管検査
  • 内視鏡的逆行性胆管・膵管造影(ERCP)
  • 経皮経肝的胆道造影法
  • 尿路系造影検査
  • ミエログラフィ・ディスコグラフィ
  • 腹部血管造影検査
  • 外科用イメージ装置
CT(コンピュータ断層)検査
多方向からX線を照射し、コンピュータ処理により身体の断面画像を得る検査。(単純・造影検査)
MRI(核磁気共鳴診断)装置
強力な磁気と電波を使って、身体のあらゆる方向の断面画像を得る検査。X線は不使用。(単純・造影検査)
事務業務
  1. 受付業務ならびに撮影室への患者様案内。
  2. 各検査の予約・問い合わせに対応。
  3. 他院への紹介用の画像CDの作成。
  4. 他院から紹介されて来た患者様の持ち込み画像CDの取り込み。
  5. 読影業務。
  6. フィルム・各種書類の保管と管理。(カルテに準じた年数分を保管)

医療機関の方へ

当院では、開業医の先生方などから、CT・MRI検査の依頼を承っております。放射線科医師が読影を行い、結果をご送付いたします。

患者様ご自身からの予約は承っておりません。ご了承下さい。

単純X線検査

一般撮影(東芝メディカル KXO-50G 1台、KXO-50SS 2台)

”レントゲン(X線検査)”と聞いてまず思い浮かぶのは?と聞いてみると、大体の人たちは「胸の写真」や「骨の写真」といったものではないだろうか。それらは総称して一般撮影検査と言われ、基本的に多方向からの観察が必要でありそれを可能とする為に2方向以上の撮影を行う事が多い。

① 胸部X線撮影

胸部は、胸郭・胸膜・肺・心・大血管・横隔膜などの配列と重なりで構成されている。
全身状態を診るにあたり、豊富な情報量を有するため胸部X線写真はとても重要である。

例)

  • 肺   ・・・ 気胸・胸水・肺炎・結核・腫瘍 など
  • 縦隔  ・・・ 気管・大動脈・心肥大 など
  • 横隔膜 ・・・ ヘルニア・腹腔内遊離ガス など
  • 胸郭  ・・・ 骨 など
② 腹部X線撮影

立位・仰臥位・側臥位にて撮影を行う。KUB(Kidney、Urinarytract、Bladder)と呼ばれる撮影法もある。
造影剤を使用して、腎臓・尿管・膀胱を描出し結石や水腎症などを検査するものもある。
おもにガス像や石灰化陰影・体内異物の観察を目的とする。ガス像の形状や位置などから腹水の有無や、病名の推測が可能となる。

(例)特徴的なガス像
ニボー:拡張した腸管と、その腸管内にあるガス像と腸液でできた水平画像を形成。

イレウス(腸閉塞)

急性腹膜炎:
穿孔部から腹腔内に出たガス(フリーエアー)が横隔膜の下にたまり、右横隔膜と肝右葉の間で半月状のガス像を形成。

緊急手術が必要とされる二大疾患、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などが穿孔して起きた急性腹膜炎とイレウスとが確実に診断できる。
これらの疾患が疑われるときは、立位(座位)腹部X線撮影は非常に重要であると言える。

DIP検査
造影剤を急速滴下で注入し、時間ごとにKUBを撮影していく。結石の有無や水腎症の形状がわかる。

③ 骨部X線撮影

成人の骨格は頭部・体幹部・脊椎・四肢の約200個の骨からなる。それらは、長骨・短骨・扁平骨・含気骨の4種類に分類される。
骨折や脱臼では、それらの位置や方向性を診るためにも、2方向以上の撮影を行う。
骨折だけではなく、骨etaを含む他の骨疾病やリュウマチの評価、脊椎や四肢の計測、異物混入の確認にも重要である。軟部組織の腫瘍などの描出はやや困難である。

ストレス撮影
靭帯損傷のときなど、付加を与えながら撮影を行う。
(例)テロス撮影:2011年より導入。おもに前十字靭帯(ACL)評価に使用している。

骨密度測定(DXA法)(日立アロカ Dichroma Scan DCS-600EXV)

前腕骨を約15秒で測定します。前腕骨は加齢による骨の変形を受けにくい為、高齢者の測定にも適している。
2011年12月より導入

ポータブル撮影(SHIMADZU MobileDaRt Evolution FPD)

移動式X線撮影装置。
撮影室にて撮影が出来ない患者様に使用(病棟や救急外来)。
単純X線検査に準ずる。

透視X線検査

HITACHI VersiFlexVISTA 2012年9月導入
※HITACHIホームページより画像参照

上部・下部消化管検査 約3mSv(実効線量)

食道~胃・十二指腸球部にかけて(さらに小腸から大腸にかけての追腸)、大腸の消化管を造影剤を使用して検査をしていく。

①上部消化管

胃がんの早期発見を目的。
胃潰瘍・ポリープ・胃炎の発見も可能。
手術前などの病変の位置確認。
前処置が必要。当日禁食。(胃液が出てしまうと検査に支障がでてしまう。時間帯も早めが望ましい。)
使用造影剤は主に硫酸バリウム。手術後などはガストログラフィンを使用。
濃度200w/v%、全量180ml。充盈像や二重造影像にて撮影を行う。
発泡剤で胃部を膨らませ、胃内の残留物をバリウムで洗うようにしながら粘膜にバリウムを付着させていく(この時、寝台の上でクルクルと回転してもらう)。

② 下部消化管(注腸検査)

がんの形状や位置の確認。ポリープ・憩室の発見。
前処置(検査食と下剤による)が必要。残渣が無く、水分量も少ないのが望ましい。
使用造影剤は主に硫酸バリウムで全量200gを暖めて使用する。
手術後、閉塞・がある場合はガストログラフィンを使用。
肛門より管を挿入し、逆行的にバリウムを注入。(頭低位にて)脾湾側までバリウムを入れたら空気を注入し腸管を膨らます。

消化管検査の時に、げっぷやおならを我慢してもらうのは、粘膜ひだなどをしっかりと伸展させ小さな病変を見つけるためである。

内視鏡を使用した検査
① 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
内視鏡の映像と透視画像を見ながら検査をしていく。
尿路系造影検査
① 腎瘻造影
② 尿道造影(UG・CG)
ミエログラフィ・ディスコグラフィ
① ミエログラフィ
くも膜下腔に造影剤を注入してX線撮影を行い,脊柱管内の病態を把握する方法。
② ディスコグラフィ(椎間板造影)

椎間板の髄核内に造影剤を注入してX線撮影を行い、その造影像より椎間板の変性状態や髄核の脱出を知り、診断治療に役立てるもの。

血管造影(アンギオグラフィ)

カテーテル(細い管)を主にそけい部の動脈から肝臓や腎臓、脳の血管まで挿入し、造影剤を使用して血流や腫瘍の分布を見たり、血管の狭窄や閉塞を知るための検査。
今回、VersiFlexVISTAの導入に伴い17×14インチの視野が確保できるようになり幅広い治療や検査が可能になった。

ポータブル透視装置(SIEMENS SIREMOBIL Compact L)

手術室にて、使用。
整形外科の手術・泌尿器の手術時に使用

CT(コンピュータ断層)装置

使用機器 キャノンメディカル Aquilion PrimeSP / FUJI SYNAPSE VINCENT

2023年5月より新たにマルチスライスCTを導入。
X線検出器が以前は16列だったものが80列になり、広範囲を短時間の息止めでより詳細な画像を得ることが可能(胸部~骨盤腔まで約10秒の息止めで撮影可能)。
さらに、細かく撮影をすることで、任意断面の再構築や3D作成も容易になった。作成した画像から、仮想内視鏡も可能となる。

MRI(核磁気共鳴診断)装置

使用機器 東芝メディカル Vantage Titan 1.5テスラOpen Bore MRI

MRIとは
人間の身体の構成物質の約60%は水(H2O)である。この水素原子(H)は、一定の磁場を不えると小さな電磁石のようになり同じ向きでスピンするようになる(核磁気共鳴運動)。その磁場を切ると元の状態に戻ろうとする。身体のそれぞれの組織ごとに、元の状態に戻るまでの時間が違うので、その時間差を利用して濃淡のある白黒画像を作り出している。

利点
MRI 検査は他のレントゲン検査と違い、X 線を使用しないので放射線被ばくがない。
椎間板ヘルニアや軟部腫瘍、(骨の影響を受けないため)脳底の描出に優れている。
仰向けの状態での検査で、自由な断面の検査が可能。
造影剤を使用しなくても、血管像を得ることが出来る。
欠点

磁気を使用しているので、ペースメーカーや脳動脈クリップ、人工内耳をしている人は検査出来ない。
検査時間が約20 分(1 部位)と長い。
大きな穴の中に入っての検査なので、閉所恐怖症など狭い場所が苦手な方は検査出来ない可能性がある。

*3 検査前に、ボースデル(塩化マンガン四水和物)という経口消化管造影剤を250ml 服用する。

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