前十字靭帯損傷の治療について
前十字靭帯損傷の治療について
前十字靭帯損傷は、バレーボール、バスケットボール、サッカー、スキーなど、スポーツで発生する最も多い怪我の一つです。ジャンプの着地や急なターンなどで受傷されることが多いと言われています。ジャンプの着地時に膝が内側に入ってしまった、「ブチッ」という音がした、骨と骨がぶつかる感じがした、膝がはずれる感じがした、とおっしゃる患者さんが多いです。前十字靭帯が切れたままスポーツ活動を継続すると、2年間で約80%の割合で半月板損傷を合併すると言われています。「膝がひっかかる、水がたまる、熱を持つ、痛い」という症状が出現します。
スポーツ活動をされない方、日常生活に支障が出ない方は、保存的に経過をみることが可能です。スポーツ活動をされる方、日常生活で支障が出ている方は、手術をして治すことをお勧めします。
前十字靭帯再建術について
- 平均手術時間は1時間20分、入院期間は4泊5日~1週間です。
※半月板損傷の有無などにより、手術時間が変わります。 - 全身麻酔と硬膜外麻酔の併用により、できるだけ患者様のご不安が少ないように心がけています。「麻酔から覚めたら手術が終わっていた」とおっしゃる方が多いです。
- 当院では、2004年より2ルート法、BTB法、シングルルート法で手術を行ってきました。より頑丈な靭帯を再建することをコンセプトに、現在では、半腱様筋腱と薄筋腱を用いた8重束シングルルート法で再建手術を行っており、良好な成績を収めております。
文責:三箇島吉統